2021年10月6日(水):人権教育講演会

 10月5日(火)の7限目に、国立ハンセン病資料館の学芸員 牛嶋渉さんによる人権教育講演会を開催しました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のためオンラインでの講演会となりました。リモートによる講演会は本校では初めてでしたが、1、3年生は体育館で、2年生は社会科教室でDVD視聴と講演がトラブルなく実施できました。演題は「ハンセン病問題を考える」。ハンセン病に関する知識、患者・元患者への偏見や差別について学ぶとともに、実例から新型コロナウイルス罹患者への差別問題についても考える講演でした。

最初に、ハンセン病が「らい菌」に感染することで起こる病気で、主に手足の末梢神経が麻痺すると、汗が出なくなったり、熱や痛みを感じなくなること。1943年にアメリカで「プロミン」という薬の有効性が判明し早期発見・治療を行えば、後遺症も残らず治る病気であることなど病気について説明がありました。

さらに、治療法が確立されて、ハンセン病が治る病気になり、国は療養所の入所者・社会復帰者におわびし、政策を改めたこと。それなのに、どうして偏見や差別がなくならなかったのか。ハンセン病に対する偏見や差別は私達のうちにある問題などではないか。さらには現在世界中で蔓延している新型コロナウイルス感染症の問題についても考えさせられる講演となりました。

最後に牛嶋さんが、「今日、ハンセン病について学習しましたので、皆さんがお互いにハンセン病について話をしていただくだけでも、この問題の解決につながっていくと思います。」と話されました。

その後に生徒会長の松野健伸君が「講演を聞くまではメディアでしかハンセン病のことを聞いたことがありませんでしたが、この講演でハンセン病がこれまでどういう扱いを受けてきたかが分かりました。このような知識を皆がつけてこの世の中から差別がなくなればよいと思いました。」と謝辞を述べ講演が終了しました。

感染症についての差別問題を考える良い講演会となりました。